9 後悔はしない
「どれだけ考えても、気持ちは正直に揺れ続けている。ただ、いつの日か、かりんに「私がなんでこんな風になったのか?」と聞かれても僕がしっかり説明し、責任を持って共に生きる。辛いことに遭遇しても払拭できる環境を整えるのが僕の役割だ。
今回の手術は、もちろん命あってのことだ。そこはしっかり東京の大学病院の先生に伝える。命の危険がありそうなら途中でも良いと…。 これだけ調べ、悩み、迷い、そして助けを求めた。 そこで出た決断だ。するなら今しかない。今、だからできることなんだ。後にも先にも…。僕に今回のことを預けて欲しい。もし仮に、手術で状態が変わらなかったとしても、もっと早く手術した方が良かった、しなければ良かったなど、かりんのためにも後悔は、絶対してはいけないんだ」
と妻に伝えた。
正直、自分でもこれが最良なのか?と葛藤はあった。 「これでいい。これがいい。これしかない」と何度も自分に言い聞かせた。話し合いの末、妻はなくなく承諾し、手術をすることに決めた。私の意見に沿ってくれた。「時期のこと、将来のこと、家族にとって、かりんにとって、いろいろ考えて悩んできた。これだけ調べ、考えた結果なので後悔はしない。」
大きな手術なので命を落とすこともある。簡単な小さな手術でも絶対ということはない。そこはさすがに妻に絶対に大丈夫とは言えなかった。妻を安心させてやりたかったが、絶対と言う言葉は使えない。
ただ、無事を祈るのみだ。
早速、東京の大学病院へ連絡し、手術を受たい旨を先生に告げた。日程を調整し、東京の大学病院で受診することになった。 診察時間が早く、東京へは前日入りした。かりんは、身体障害者手帳二級を持っており、新幹線は割引になった。感染しやすいため、多目的室を手配し安心して京都~東京間を移動できた。宿泊は、後ほど詳しく書くことになるが、とある施設でお世話になった。小児がんを抱える家族を対象とした施設だ。 立地もよく、15分くらいで大学病院まで行ける。
診察は、前回のセカンドオピニオンの延長の話だったので30分程度で済んだ。先生と話して安心し、「これで良いのだ」と自分の胸に刻んだ。後悔なし。かりんと家族と共に成長しよう。
手術は、3ヶ月後に決まった。
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